膝の痛みについて
2014 年 11 月 11 日 火曜日膝の痛みは、加齢によりその症状を訴えられる方が増えていきます。
膝の痛みと言っても、痛みの原因が様々です。
今回は、膝についてのお悩みで多い例をご紹介いたします。
肥満による膝の痛み
太りすぎの患者様の膝の痛みのほとんどは「変形性膝関節症」による痛みが多くあります。
まず、肥満の方で膝の痛みが出た場合、まずこのような質問をします。
・もともと膝が悪かったか
・以前にどんな診断と治療を受けたか
これにより大体の背景が把握できます。
次に膝に腫脹があるか、触診で熱感があるか、左右差があるかなどを調べます。
変形性膝関節症の場合、普段は腫脹や熱感は認められませんが、急性の炎症を起こしている場合は、それらを認めます。
炎症が起きているときは、原則として膝を冷やし、炎症をおさえるようにします。
また、炎症が起きているときは、痛みを我慢できる範囲内でADL(※ADLとは、日常生活動作の略で、起居、移動、食事、更衣、整容、トイレの各動作およびコミュニケーションから成る日常生活に最小限必要と考えられる動作のこと)を行うようにし、無理な運動は避けるように指示します。
痛みは1~2週間で軽減する場合が多いので、炎症が治まってきたら、すぐにADL・関節運動の量を増やしていき、できるだけ早く元の生活にもどすように関節可動域訓練などのリハビリを開始します。
膝の水
よく「膝に水がたまっているから悪い」、「膝に水がたまっていないから良い」と思われている方がお見えですが、医学的には「よい・わるい」というわけではなく、「膝に水かたまる」というのは、あくまでも膝に炎症があるために起こっている一症状にすぎません。
そもそも、膝の水ってなんなんでしょうか?
「膝の水」と言われているのは、骨と骨をスムーズに動かすための役割をしている「関節液」というもののことをいいます。膝には関節包という関節を包む袋のようなものがあり、その中に関節液が入っています。
この関節液自体が痛みの原因にはなりませんが、関節液の量が多くなってくると、関節が張って動かしにくくなります。この時に膝を曲げようとすると、痛みが出てくることがほとんどなのです。
関節を水風船に例えるとわかりやすいかもしれません。
少し水の入った水風船なら、ゴムに余裕があるためある程度なら曲げたり捻ったりしても大丈夫ですね。しかし、限界までに水を入れた水風船はどうでしょうか?
ゴムに余裕がないため、曲げたり捻ったりできませんね。無理に形を変えようとすれば、ゴムが耐え切れず割れてしまいます。
そのようになったときは、整形外科などで膝の水を抜くことがあります。
「一度膝の水を抜くとクセになる」と信じて見える方もお見えですが、そんなことはありませんので安心してください。
まず水がたまるのは膝に炎症が起きているからなのです。
たとえば、
「あなたが風邪を引き、鼻に炎症が起きて鼻水が出たとします。
あなたは、鼻水がでてきたので鼻をかみましたが、鼻水はどんどん出てきました。」
このとき、鼻水をかんだから新しい鼻水がでてきたわけではないですよね?
風邪が治れば、鼻水も治まります。
ようするに「鼻の炎症→膝の炎症 鼻水→膝の水 鼻をかむ→水を抜く」ということです。
なので、膝の水を抜いたからといってクセになることはないんです。