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立ち上がり動作のポイントを紹介します。
立ち上がり動作は、立ち上がる前の座った姿勢によって動作がしやすいかが変わってきます。
立ち上がりは座ったところ(座面)が高く足がお尻の方に近いほど立ち上がりが容易になります。
そのほかに、「骨盤の傾き」も影響してきます。
骨盤が後ろに傾いた姿勢(背中が強く丸まり重心が後ろにある状態)のまま立ってもらおうとすると重心が後ろに残ってしまい介助者の負担が大きくなります。
立ち上がりを楽にするためにも、
「背中をできるだけ伸ばして骨盤を前に傾斜させやすい座った姿勢」
に整えるようにしましょう。
訪問マッサージをご利用いただいている利用者様の多くが立ち上がり動作が困難です。今回は立ち上がり動作についてご説明します。
立ち上がるために必要な運動機能は、大きく分けて3つあります。
1、体の安定性
2、足の力(脚力)
3、下肢の可動性(動き)
これらの一つでも障害されることで立ち上がりの動作は難しくなります。
立ち上がりは、重心移動の方向から見た場合、
① 座った状態から体を前に曲げてお尻を座った面から浮かす動作
② ①の状態(中腰の状態)から体を起こしながら膝を伸ばし立った姿勢になる動作
と、この2つの動作から構成されています。
①の動作の時、重心は前の方に移動します。
※座っている姿勢で足が手前にひかれているほど、体を曲げる幅が小さくなり立ち上がりやすくなります。
②の時、重心は上の方に移動します。
※座っているところ(座面)が高いほどこの②の動作は楽になります。
このことから、立ち上がる前の座った姿勢がその後の立ち上がり動作に影響することを知っておきましょう。
また、介助を受ける人の協力があるかないかで介助が「楽に・スムーズ」にできるかが違ってきます。
声をかけて介助を受ける人の協力を得るようにしましょう。
介助をするとき、運動障害の程度に合わせて介助のポイントは変わってきます。
介助の際、基本的な原則としては、
・姿勢を保持できないときには体を支える
・脚力が弱いなどの問題があればこれを補う
というような形で障害に対して介助を行います。
たとえば、姿勢を保持できないような重度の片麻痺の患者様を介助する場合には、介助者は脇から背中に手を回して体がまっすぐになるように支え、さらに、介助者は両膝で介助を受ける人の両膝を挟むようにして固定し、膝折れしないように下肢を支えます。
軽度の片麻痺の患者様では、介助者が患者様の麻痺側から背中に手を回して、もう一方の手で脇から麻痺側の上肢を軽く支えながら一緒に立ち上がるようにします。
よく介助者が介助を受ける患者様の下肢の間に入り込み、首や肩に手を回してもらい立ち上がりの介助をする方法がありますが、患者様に近づきすぎると、重心移動が妨げられて、介助者の負担が大きくなってしまいますので、「前方に重心移動させやすいよう近づきすぎないように空間をあける」ようにしましょう。
立ち上がり動作のポイントを紹介します。
立ち上がり動作は、立ち上がる前の座った姿勢によって動作がしやすいかが変わってきます。
立ち上がりは座ったところ(座面)が高く足がお尻の方に近いほど立ち上がりが容易になります。
そのほかに、「骨盤の傾き」も影響してきます。
骨盤が後ろに傾いた姿勢(背中が強く丸まり重心が後ろにある状態)のまま立ってもらおうとすると重心が後ろに残ってしまい介助者の負担が大きくなります。
立ち上がりを楽にするためにも、
「背中をできるだけ伸ばして骨盤を前に傾斜させやすい座った姿勢」
に整えるようにしましょう。
ベットで寝ている患者様に対しての起き上がりの介助方法を紹介します。
①まず患者様に頭を上げてもらい背中の上部に手を当てます。
※このとき背中の上部に当てた手で無理に引き起こすような力を加えないようにしましょう。
②介助を受ける患者様の動く方向に沿って力を加え、動く方向を導く(誘導する)ようにします。
方向が正しければ少ない力でスムーズに起き上がらせることができます。なので、動作の正しい方向を知ることが大切です。
③介助を受ける人にベッドに肘をついてもらい両足を下ろします。
④肘を伸ばしてもらいまっすぐになるまで起こします。
※ある程度上体が起き上がってきたら力を抜いて患者様自身の力で起き上がってもらうようにしましょう。
<ポイント>
・介助を受ける人の協力を得る。
介助を受ける人の協力があるかないかでその労力が大幅に違ってきます。声をかけて協力を得るようにしましょう。
・起き上がったらできるだけ座ってもらう。
座る姿勢は寝た状態から立ったり歩いたりする動作をする間にある中間的な姿勢であり、また、日常生活を送る上での基本的な姿勢なのでリハビリにとってとても重要なことです。起き上がれたら、できるだけ座って日常を過ごしてもらうようにしましょう。
車椅子の車体構成や使用目的によって車椅子は分けられます。
ここで、いくつかの種類を紹介しましょう。
・スタンダードタイプ
一般的な車椅子がこれにあたります。大車輪が後ろについていて、駆動(動力を伝えて 動かすこと)しやすいです。
・オーダーメイドタイプ
使用される本人の手足の長さや四肢の可動範囲・使用目的を考慮して作られるので、よ り使いやすいですが、完成までの期間が長いです。
・トラベラータイプ
大車輪が前についていて、前後径が短く、小回りがききます。
・スポーツタイプ
一般の車椅子とは比較にならないほどフレームの剛性・駆動効率は高く、とても軽いで すが、アームレスト(肘掛け)やブレーキがありません。
※フレームとは:車椅子を構成する主な部品のことです。車椅子の走行性や操作性も左右 します。
・リクライニングタイプ
高位の脊髄損傷者の方で起立性低血圧の発作がある場合に用いられます。
などの種類があります。
車椅子を使用する前に最低限、次のことはチェックするようにしましょう。
□①「大車輪」
・大車輪を回してみて、ぐらつきがなくスムーズにまわる。
・ゆっくり押して手を離してもまっすぐに走る。
・実際に乗ってみて手を離してもまっすぐに走る。
□②「キャスター(小車輪)」
・キャスター(小車輪)を上げたとき、重力のかかる方向にスムーズに回転する。
□③「ブレーキ」
・車椅子に手をかけて勢いよく立ち上がっても動かない程度。
□④「バランス」
・4つの車輪が床についていてグラグラしない。
・座ってもきしんだり変形したりしない。
□⑤「アームレスト(肘掛け)」
・ゆがみやグラつきがない。
□⑥「フットレスト(足置き)」
・ゆがみやグラつきがない。
□⑦「背もたれ」
・ゆがみやグラつきがない。
□⑧「折りたたみ」
・折りたたむ操作がスムーズにできる。
□⑨「その他の仕上がりの確認」
これらのことをチェックしてから車椅子を使用するようにしましょう。
<車椅子移乗介助>
※寝たきりの患者様を車椅子に移乗させる移乗介助の方法です。
車椅子に乗る手順
① 車椅子の位置を決めてベッドに寄せて、車椅子とベッドの高さを同じくらいにします。
※患者様のお尻を浮かせて横に移動させるように移乗しますので、高さが同じくらいだと楽だからです。
② 車椅子は、フットレスト(足を置く板・プレート)を上げてブレーキをしっかりとかけます。
③ 患者様を起こして端座位にします。
※ 患者様は絶えず後ろに倒れそうになるので片方の腕を患者様の背中に回し、もう一方の手で足を整えます。
④ ③の状態から端座位の状態の患者様を抱える姿勢に移行します。
※介護者の首に腕を回してもらい、両脇を両腕でしっかりと支え、腰ベルトを持ちます。自分の方に引き寄せながら腰を引き上げます。患足が車椅子に絡まないように注意しながら身体を回転させ、ゆっくりと腰を下ろします。
⑤ 介助者は車椅子の後ろにまわり、両手を後ろ両脇から入れて前腕部を持ち、身体を引き上げるようにして患者様を寄せて深く座らせます。
<座った状態での車椅子移乗>
座った状態からの姿勢で移乗する方法について紹介します。
※この座った状態での車椅子移乗を行うには、起き上がって端座位(ベッドの端に腰をかけ横に足を下ろした姿勢)ができ、お尻を横にずらすことができるといった能力が必要です。
車椅子に乗る手順
① まず、ベッドと車椅子をほぼ同じ高さになるように設定します。
※立ち上がる・移動する力が弱い場合には、それらを考慮した上で座面の高さを決めることが大切です。
② 端座位をとり、車椅子の位置を決めてブレーキをしっかりとかけます。
③ アームレスト(肘かけ)を外します。
④ フットレスト(足を置く板・ステップ)をあげて、足をベッドと車椅子の間におきます。
⑤ 少しずつお尻を横にずらして移動します。慌てずゆっくり行いましょう。
※ベッドと車椅子との隙間にお尻が落ちてしまう場合や、お尻を動かしやすくしたい場合は、トランスファーボード(座位で横に移動する際、橋渡しの役割をする板のこと)を使用するのもいいでしょう。
車椅子の上手な乗り方 1
<立ち上がっての車椅子移乗>
座った状態から自分の力で立って(手すりなどにつかまるなどの上肢の支えが必要な場合も含む)立位・中腰の姿勢で移乗する方法について紹介します。
※この立った状態での車椅子移乗を行うには、両足・片足に体重をかけて、移乗の開始から終了まで、介助なしに立位を保持する能力が必要です。
車椅子に乗る手順
① まず、車椅子を移乗する目的の場所まで近づけます。
※車椅子を近づける際に、車椅子を直角に寄せるよりも座る予定の位置に対して斜めに寄せることで、臀部の移動距離が最も少なくすることができます。
② 車椅子の位置を決めてブレーキをしっかりとかけます。
③ フットレスト(足を置く板・ステップ)をあげて足を床に下ろします。
④ 立ち上がります。慌てずゆっくり立ちましょう。
⑤ 立ち上がった場所で足を中心に身体を方向を変えます。
⑥ 目的の座面に座ります。
※上肢の支えが必要な場合は、アームレスト(肘かけ)やベッドの手すりなどの位置に配慮する必要があります。
車椅子を使用する際これらのことに注意をしましょう。
① まず、車椅子を上手に使う・乗る上で一番大切なことは「ゆっくり・確実に」ということです。
急いで乗ったり慌てて降りたりすると事故やケガのもとになります。
② 車椅子の乗り降りの際には「必ずブレーキがかかっていること」を確認するようにしてください。
しっかりブレーキがかかっていないと車椅子が固定されず、転倒してケガをする場合があるからです。
③ フットレスト(足を置く板・ステップ)の上に乗って車椅子に乗りこんだり、降りる時などに立ったりすると車椅子ごと転倒したり、フットレストが壊れたりと危険です。
フットレストはちゃんと上げてから乗り降りを行うようにしてください。
④ 車椅子の走行中に身を乗り出したり、車椅子に乗った状態で前方の地面に置いてあるものを取るなどの強い前傾姿勢をとる動作を行わないようにしてください。
車椅子が不安定になって転倒する危険があります。
⑤ 荷物の量が多すぎたり、グリップに荷物を吊り下げたりするとバランスを崩しやすくなり危険ですので絶対に避けてください。
⑥ 車椅子の乗り降りは安全な場所で行うようにしましょう。
転倒や思わぬ事故を防ぐためにもこれらのことをしっかりと守って車椅子を使用するようにしましょう。
リハビリで行わるものの中に「関節可動域訓練」と呼ばれるものがあります。
「関節可動域訓練」という言葉ではピンとこない方も多いと思います。
関節可動域訓練とは、関節拘縮の予防や関節可動域(関節を動かせる範囲)の維持、増大を目的として行われる運動療法のことです。
一般的に関節は動かさないでいると、関節の可動域が低下していく「関節拘縮」を起こします。
3週間以上動かさないでいると著しい関節拘縮が見られるようになります。
8週間以上の場合は、関節が元のように戻らなくなってしまうこともあるんですよ。
関節可動域訓練を行う際、無理に伸ばしたりすると痛みを起こし、かえって可動域の悪化を招く可能性があります。
そのため、関節可動域訓練は痛みの範囲内でのストレッチを原則として行うようにしています。
関節可動域訓練は関節拘縮を防ぐためだけでなく関節をもっと動かせるようになるためにもとても大切なリハビリなんです。