ウィルソン病 リハビリ
2009 年 12 月 9 日 水曜日リハビリ
ウィルソン病
★ウィルソン病とは
ウィルソン病とは、銅の代謝異常によって起こる先天性の疾患のことをいい、基底核を中心とする特異な神経症状と肝硬変を伴う病気です。銅の膜輸送を担うたんぱくの先天的異常によって、体内の各組織で銅が異常に蓄積し、組織が破壊されます。最も影響を受けるのは肝臓で、肝細胞の壊死と線維化を生じ、大脳基底核への蓄積により特異な神経症状を呈します。すべての年齢で発症はみられますが、特に10~20歳と50~60歳に発症する傾向が高いです。
★症状
ウィルソン病の症状としては、70%が神経症状を初発とします。構音障害、振戦、筋緊張亢進、運動失調などの錐体外路徴候、学力低下、感情の不安定、うつ状態、無気力、性格の変化などの精神症状などをきたします。また、腹痛、下痢、黄疸、肝臓・脾臓の腫大などの腹部症状、銅の沈着によって角膜周辺部にカイザーフライシャー角膜輪といわれる緑色の色素沈着を認めます。
★リハビリ
ウィルソン病に対するリハビリテーションは大切です。早期に治療・リハビリを開始することで予後は良好で、日常生活も社会生活も問題なく過ごすことが可能になります。運動失調・歩行障害に対して運動療法や歩行訓練、筋肉の緊張や筋萎縮の緩和を目的としたマッサージや鍼灸治療を行います。
早期からのリハビリテーションの介入が回復を促進することが科学的に証明されています。