「寝たきり」の原因と防ぐ方法とは?
2015 年 1 月 30 日 金曜日日本人が寝たきりになる原因は様々ありますが、もっとも多い原因は「脳血管疾患」であることが分かっています。
他にも、「認知症」、「骨折・転倒」などがあります。
「脳血管疾患」には、脳の血管が破れて起こる「脳出血」「くも膜下出血」、脳の血管が詰まってしまう「脳梗塞」などがあります。
脳は神経細胞の集まりです。部位によって役割が決まっており、ここで血管に異常が起きると今まで司っていた機能が失われてしまうことが多くなります。
体が思うように動かせなくなったり、「寝たきり」になってしまうのはこのためなのです。
「脳血管疾患」は、その部位や再発の危険性などから予後があまり良くない場合があるため、重い後遺症で「寝たきり」になってしまうとご本人はもちろんのこと、ご家族様など周りの人にとってとても大きな負担になります。
そこで「寝たきり」に防ぐためにとても大切なリハビリがあります。それは、「座る」ということです。
「座る」というリハビリを行うとつぎのような効果があるのです。
まず座ることで、身体を支える筋肉を使うため、身体が強くなり、筋肉・関節が固くなるのを防ぎます。
また、寝たきりのためいつも同じ天井ばかりを見ていた単調な生活が、座ることで見える景色が一変し、世界が広がります。
座った姿勢を保てたら、車椅子に乗って外出もできます。
さらに、車椅子に乗れたら、いろんな所に出かけて様々な人との出会いや季節の移り変わりを感じることができ、また寝たきりで食事の時だけベッドを起こしていたときとは違い、他の人と一緒に食事ができます。
そうなれば自然と会話をする機会も多くなり、いろんな人とコミュニケーションをとれて生活が楽しくなります。
ほかにも血圧の調節機能を改善して、起立性低血圧の予防になりますし、体のバランスを改善して、立ったり歩いたりのリハビリにもつながります。
「座る」リハビリを行うことで寝たきりを予防でき、また座ることができれば寝たきりの時よりもずっと多くのことができるようになります。
そうなれば、生きる意欲を取り戻し、表情が生き生きとしてきて、再び人生を楽しむことができるのではないでしょうか。
寝たきりはつくられる
高齢者の方の場合、怪我や病気になると「危ないから・・・」などの理由でつい家族や周囲の人が世話を焼きすぎてしまうことが多くあります。
そうなると、「いろいろ世話をしてもらえるから」と周囲への依存心が強くなり、結果として寝たきりになってしまうのです。
また、過度に安静にしすぎてしまうと、身体機能が低下してしまいます。そうなると、筋力の低下などが原因で寝たきりになってしまいます。
これらを防ぐために、怪我や病気がある程度回復したら、なるべく早く起き上がるようにし、少しでも体を動かすことが大切です。
また、ご家族の方も高齢者が自立して生活を送れるようにするために、世話を焼きすぎず、少し支えるなど自立の支援にとどめましょう。