HOME » ‘リハビリ 床 立ち上がり 介助 下り’ タグのついている投稿

‘リハビリ 床 立ち上がり 介助 下り’ タグのついている投稿

床から起きて立ち上がる、床に座る動作とは?

2016 年 10 月 18 日 火曜日

こんにちは。マッサージ師の太田です。
夏の暑さもやわらぎ最近は肌寒い日も多くなってきましたね。
朝晩は特に冷え込みが強く風邪をひきやすい季節になってきましたので体調にはお気を付けください。

今回はこんなことをご紹介します。
床からの立ち上がりは、ADL(※ADLとは、日常生活動作の略で、起居、移動、食事、更衣、整容、トイレの各動作およびコミュニケーションから成る日常生活に最小限必要と考えられる動作のこと)を自立するためには欠かせない動作です。
AT174_L
下肢の力のみでしゃがんだ状態から立つ動作を行うことができれば問題はないのですが、この動作ができない場合には上肢の支えが必要になります。

床からの立ち上がり動作は、運動障害の程度によってバリエーションの多い動作です。

脳梗塞後遺症に多い片麻痺がある場合では、代表的な床からの立ち上がり動作として
①しゃがんだ状態からの立ち上がり
※運動機能が高く自立している人にみられます。
②高這い(お尻を高く上げて這うこと)からの立ち上がり
※一番多くみられるパターン。運動機能が低くても可能なもので、介助ではこのパターンをとることが多いです。
③台座を用いた立ち上がり
※バランスが悪く足の力が弱い患者様に適応されます。
などがあります。

片麻痺は、座った姿勢からお尻を持ち上げて片膝立ちになり、次に麻痺のない方の下肢を中心として立ち上がります。
このとき体のバランスをとるために上肢の支えが必要です。

床に下りるときは、基本的に立ち上がり動作と逆の順序で行います。

この場合でも、介助を受ける患者様の運動機能に合わせて、一定のところまでしゃがんでから床に手をついてもらうか、先に手をついてもらうかを選択するようにします。

介助者は患者様にとってより安全な方法を選択することがとても大切です。

ポイント①

①介助者が知っておくこと
床からの立ち上がり・下りる動作では、体のバランスをとるために上肢の支えが欠かせません。
しかし、介助を受ける利用者様の運動機能が低いほど、上肢の支えに依存する傾向が強くなってきます。
これは立ち上がり動作に必要な重心移動を難しくすることにもなりますので、介助者は介助する上で知っておく必要があります。

②片膝立ちを促す
床からの立ち上がりでは、床からお尻を持ち上げる瞬間に一番力が必要です。介助者は介助を受ける患者様の後ろからお尻を抱えて、利用者様の体の向きに合わせて回転するように介助します。
麻痺がある側の下肢を適切な位置に保つことができない患者様はバランスがとれず不安定になりやすいです。
そのため、介助者が利用者様の下肢の位置を保持して、足が床にちゃんとついて膝が安定する位置に下肢を固定するようにします。

この姿勢が不安定になると、次の動作が困難になってしまいます。

ポイント②

麻痺のない方の下肢へ重心を移動してから立ち上がる
介助者は介助を受ける患者様の麻痺のある方の後ろ側から体を支えて援助をします。

介助者は介助を受ける患者様のお尻を持ち上げて片膝立ちになってもらい、麻痺のない方のつま先を返して膝を床から浮かせて高這いの姿勢(お尻を高く上げて這うこと)になります。
※このとき介助者は患者様の片膝立ちが崩れないように麻痺側の後ろ側から手で膝と腰を支えるようにしましょう。

利用者様は、麻痺のない方の足に体重移動ができたところで床から手を離し、体を起こして立ち上がります。
※このとき介助者は膝を支えていた手を麻痺側の胸に移動させて患者様の体を起こして立ち上がるようにします。

利用者様が手を床から離したときがバランスを崩しやすいので介助者は注意するようにしましょう。

脚力が弱い方の場合は、麻痺のない方に台座を用意して上肢の支えを利用して立ち上がりを行うようにします。

ポイント③

床に下りる際に手をつく位置とタイミングを指示する

床に下りる動作を行うとき、介助者は介助を受ける利用者様の麻痺のある方の後ろ側に立ち一緒に動作を行います。

介助を受ける利用者様がしゃがむ動作ができる場合には一緒にしゃがみながら、手をついてもらいます。

その際、手をつく位置は麻痺のない方の外側についてもらうと安定します。

しゃがむことが困難な利用者様の場合には、高這い(お尻を高く上げて這うこと)をとるようにして先に床に手をついてもらいます。
※このとき、利用者様は前方にバランスを崩しやすいので介助者は利用者様の腰を支えて安定させるようにしましょう。

手が床についたら麻痺のない方の膝を床につけ、その後すぐに麻痺のない方へ体を回すようにして座ってもらいます。

高這い(お尻を高く上げて這うこと)が困難な患者様の場合には、台座を用意し、台座に麻痺のない方の手をついてもらってから膝を床に下ろして座る方法を行うようにしましょう。

ポイント④

片膝立ちを保持できない利用者様の立ち上がりの介助方法
これは脳性麻痺や四肢麻痺のように、体のバランスが悪く上肢の支えを利用できない場合に用いる方法です。

☆方法の手順
1 介助者は介助を受ける利用者様の後方に立ち、両方の脇から手入れて利用者様の両腕を手でもって抱えるようにします。
2 両膝もしくは麻痺のない方の膝を立てて座ってもらいます。
3 介助を受ける利用者様に体を前に倒してもらい、麻痺のない方の足に体重を移動させます。
4 そこから利用者様に床を蹴ってもらうタイミングに合わせて、介助者は体を引き上げるように立ち上がりを介助します。

この方法は片麻痺に対しても、周りに支えになるものがなかったり、短い時間で介助をしなければならない場合に有効です。

自立することによる効果

床からの立ち上がりなどの日常生活動作の介助をおこなうことで利用者様の自立を促すことが期待できます。

介助により体を動かすことで、寝たきりや廃用性症候群を防ぐこともできます。
また介護者との関わりにより、気分転換にもなり、リハビリに対する意欲も向上します。

求人情報
メニュー案内
お役立ち情報blog
会社概要
無料相談・お問い合わせ

ページの上部へ