廃用症候群 リハビリ
2014 年 9 月 5 日 金曜日廃用症候群のリハビリ
廃用症候群とは?
廃用症候群とは、長期の安静(寝たきり)による二次的障害のことで、多彩な症状を呈するものをいいます。生活不活発病という呼び方もされます。健常人でも使わない筋肉は萎縮し、関節は拘縮します。安静などで筋肉を全く使わないでいると筋力は1日に3~5%ずつ低下していきます。そのため、廃用症候群になり全身の機能が低下していきます。
結果、ますます身体を動かさなくなり、どんどん症状が悪化するといる悪循環に陥ります。
安静(寝たきり)によって起こった筋力低下・体力低下は進行は早いのに対し、回復させるにはその何倍もの長い時間を要します。臨床患者には程度の差はありますが、必ず起こるといってもおかしくない疾患です。
症状
症状としては骨格筋の萎縮、関節拘縮、骨吸収が骨形成を上まわるために起こる骨粗鬆症、褥瘡(皮膚の持続的圧迫による栄養障害)、循環障害による起立性低血圧・静脈血栓症・沈下性肺炎、尿路結石、失禁・頻尿・便秘などの括約筋障害、心理的荒廃などがあります。
褥瘡とは?
褥瘡とは簡単に言うと「床ズレ」のことです。
寝たきりにより皮膚が長時間圧迫されると、圧迫されている皮膚の血流が途絶えてしまいます。一定時間血流などが途絶えてしまうと細胞や組織が壊死してしまい、炎症反応が起きてしまいます。
褥瘡の好発部位
褥瘡の好発部位として、骨が出っ張っていて、寝ているときに当たりやすい部位があげられます。
主に、仙骨部・大転子・尾骨・肩・肘・踵があります。
褥瘡の予防法
まずは2時間以上続けて同じ部位の皮膚が圧迫されないように体位変換をします。頻回に体位変換をすることが重要なのです。
また、マッサージやリハビリによって血液の循環を良くし、皮膚のケアもしなければいけません。
ただし、皮膚に発赤などが出てしまっているときにはマッサージはしてはいけません。皮膚表面では発赤程度でもその下ではもっと損傷がひどい場合もあるので、マッサージをしてしまうとその損傷を悪化させる可能性があります。
リハビリ
廃用症候群に対してのリハビリテーションとしては、寝返り、座位、関節可動域訓練、ADL訓練(※ADLとは、日常生活動作の略で、起居、移動、食事、更衣、整容、トイレの各動作およびコミュニケーションから成る日常生活に最小限必要と考えられる動作のこと)、移動・移乗動作訓練、起立・歩行訓練などを行います。
早期からのリハビリテーションの介入が回復を促進することが科学的に証明されています。